昔ながらの発酵食品のひとつ“ぬか漬け”。おばあちゃんが漬けるもの・・・というイメージがあるかもしれませんが、近年の「酵素食(ローフード)ブーム」によって女性たちの注目を集めています。
酵素食は生野菜やフルーツをできるだけ生に近い状態で食べる食事法なのですが、冬場はカラダが冷えてなかなか食べられない・・・というデメリットもあります。それが、野菜をぬか漬けにすると冬場の寒い時期でも美味しく食べられるというメリットがあるのです。
そんなぬか漬けも自宅で作れば添加物の不安もなく手軽に美味しく作れる・・・ということで今回は、自宅で簡単にできる美味しいぬか漬けの作り方とコツをご紹介しましょう。
基本のぬか漬け
ぬか漬けのメリット
「ぬか漬け」とは、米ぬかに塩と水を混ぜた“ぬか床”に野菜を漬けたものです。発酵食品であるぬか漬けの野菜には栄養素がたくさん含まれ、漬ける前の生野菜と比べて栄養素がなんと5倍~10倍にも増えるそうです。
まず、ぬか漬けに含まれる「植物性乳酸菌」は、動物性乳酸菌と比較して胃酸などに負けず生きたまま腸まで届くことができます。
さらに、ぬか床に使用される“米ぬか”には「ビタミンB群」や「ミネラル」が豊富に含まれていて、それが野菜に浸み込んで栄養が豊かになります。
また、ぬか漬けには「酵素」がたくさん含まれていて生野菜をそのまま食べるよりも効果的に酵素を摂取することができます。
さっそくぬか漬けを作ってみよう
ぬか漬けは難しい・・・というイメージが強いかもしれませんが、蓋つきのプラスチック容器や蓋つきのホーロー容器などがあれば冷蔵庫で管理することができて簡単です。では、さっそくぬか漬けを作ってみましょう。
ぬか床作り
- 炒りぬか・・・1kg
- 粗塩・・・150g(ぬか重量の15%)
- 水・・・1リットル
- 昆布・・・25cmくらい
- 赤唐辛子・・・2~3本
- 小鍋に水1リットルを沸かし、粗塩150gを加えて沸騰させ冷ましておきます
- ボウルなどに炒りぬかを入れ、そこに1で沸騰させて冷ました塩水を注ぎ木べらなどでよくかき混ぜます
- その後、手で全体をまんべんなく混ぜて耳たぶくらいの固さにします(少し固いくらいでいいです)
- そこに昆布や赤唐辛子を入れ込みます
捨て漬け
できあがったばかりのぬか床は、酵母の数も少なく「捨て漬け」をして酵母のはたらきを活発にする必要があります。その時の野菜の量は、ぬか1kg対してキュウリ1本程度だとされています。
もちろん捨て漬け用ですからニンジンや大根の根元部分や皮、キャベツなど葉物野菜の外葉など季節ごとにあるもので十分です。
1日に1~2回かき混ぜて、野菜が柔らかくなれば新しいものを投入して1~2週間ほど経つと、ぬか床が柔らかくなりまろやかになります。
ぬか漬け作り
- 漬けたい野菜(キュウリ・ナス・ニンジン・大根・・・など)をよく洗って、しっかり水気を拭き取ります
- 水気を拭き取った野菜の表面に軽く塩をこすりつけて、ぬか床へしっかり埋め込みます。(キュウリやナスのように水分が多い野菜は丸ごと漬けるのがおすすめです)
- 空気が入らないように、なるべくぬか床の表面を平らにならしておくのがポイントです。
- キュウリなら12時間~1日くらい、ナスなら半日から1日くらい(目安)で食べられますが、大きさや漬け込む野菜の種類によって異なります。
ぬか漬けを“我が家の味”にするために
先に基本のぬか床の作り方を書きましたが、ぬか床に加えることによっていっそう発酵が進むもの、自分好みの味に変えるものがいくつかありますのでご紹介します。
うま味や風味を出すもの
うま味を出すのは昆布だけでなく、かつお節や煮干し、干し椎茸など好みのものを加えることができます。
また、風味付けには実山椒やショウガ、ニンニクを入れることで好きな風味をつけることができます。
ただし、たくさん入れすぎると腐敗の原因にもなるので適量にし、定期的に入れかえるといいでしょう。
発酵が促進されるもの
- ビール・・・少しぬか床が固いかな、というときに飲み残しのビール(もちろん新しくてもO.K!)を足すと乳酸菌の発酵が促進されるといわれています
- リンゴ(リンゴジュース)・・・捨て漬けの時にリンゴを漬けると酵母のはたらきが進みマイルドなぬか床になるそうです。また、ぬか床が固い時にリンゴジュースを入れると酵母のエサになって発酵が進みます。
- 食パン(パンの耳)・・・食パンのデンプンが酵母のエサとなって乳酸菌の発酵が促進されるといわれています。
酸っぱくなったら入れるといいもの
- 卵の殻・・・漬けた野菜が酸っぱくなる、ぬか床から酸っぱいニオイがしてくる・・・という場合には卵の殻を入れるとカルシウムの効果で酸味を抑えることができます。
殻にサルモネラ菌などが付着している恐れがあるので、必ず熱湯でゆでて薄皮を取り除いたものをほぐして入れてみるといいですよ。
自家製ぬか漬けで健康・美容効果を得よう
いかがでしたか? 難しいイメージがあるぬか漬けですが、思ったよりシンプルで簡単にできそうですね?
今回は作りやすい量と、簡単に管理しやすい冷蔵庫でのぬか漬け方法をご紹介しました。常温では夏場などの温度管理が難しいのですが、冷蔵庫なら忙しい主婦でも手軽に始めることができそうです。
生で食べても栄養たっぷりの野菜たちが、ぬか漬けにすることでいっそう美味しく、栄養が豊富になるなんてまさに一石二鳥! 定番のキュウリやナス、ニンジンだけでなく、アスパラガスやセロリ、アボカドや長芋など色んな旬の野菜をぬか漬けにして食べることができます。
生きている乳酸菌を豊富に含むぬか漬けは、免疫力アップ・抗酸化効果・アンチエイジング効果が得られるといわれていますから、添加物のない安心な自家製ぬか漬けで、美味しく食べながら健康・美容効果を得ていきたいですね。