料理をすると必ずできる「生ゴミ」。家の中に置いておくと嫌なニオイがするし、ゴミの収集日は毎日ないし・・・厄介なものですよね?
しかも近年ではゴミ袋が有料になって、ゴミを捨てるにもお金がかかる世の中です。そんな中、エコを意識する人たちの間で広がっている“堆肥(コンポスト)”という言葉をご存知ですか?
それは、家庭から出る生ゴミで、園芸やガーデニングに使用する「堆肥(肥料成分を豊富に含んだ土)」を作ろう・・・というものです。その方法についてまとめました。
「堆肥(コンポスト)」って何?
「堆肥」とは、有機物を微生物によって分解した肥料のことです。
少し難しい表現ですが、自然界で「堆肥」ができる仕組みは、森の中で地面の上にたくさんの落ち葉が積もり、その中にたくさんの微生物が存在します。それら微生物が積もっている落ち葉や生き物の死骸やフンなどの“有機物”を分解して発酵し、栄養豊富な土壌(堆肥)に変化させています。
これらの土壌で木々たちはいっそう成長していくことができるのです。
「堆肥」によく似たものに「腐葉土」があるのですが、腐葉土の原料は主に葉っぱや枝といった“植物性”のもので、堆肥の原料は動物のフンや生ゴミなど“動物性”のものも含まれるため、より肥料成分が強くなります。「堆肥」のことを英語では“コンポスト”といいます。
ベランダで堆肥が作れる?
自宅で出る生ゴミから堆肥を作ることができます。でも、それには広い庭が必要だと思っていませんか?
そんなことはありません。庭がなくてもベランダでも簡単に堆肥が作れます。そのために必要な物と、作り方をご紹介します。
プランターを使用する方法
用意するもの
- プランター
- 花などを育て終わった土 または、ピートモス6:もみ殻4の割合で混ぜた土
- 米ぬか
作り方
- 花などを育て終わったプランターならそのままの土、育てていなければ、ピートモス6:もみ殻4の割合で混ぜた土をプランターに入れます。
- スコップなどで生ゴミを入れられる程度の穴をあけます。(広いプランターなら端から順番に・・・)
- 生ゴミを穴に入れて上から米ぬかをふりかけ、その上を土で覆います。(ゴミがしっかり隠れるように)
- 次に生ゴミが出たら、その横に新しく穴をあけてそこに3と同じ手順を繰り返します。
- 最後の穴に生ゴミを入れて1週間~10日経ったら全体をかき混ぜると出来上がります。
ポイント
それほど大きくないプランターなら、生ゴミをあらかじめ小さめに切っておくだけで分解スピードが速くなります。
ニオイ対策としてコーヒーのカスを少量入れる・しっかりと土で覆う、など近隣の人に迷惑にならないようにしましょう。基本的には、生ごみがきちんと隠れるように上から土で覆えば、臭いが気になることはないでしょう。
ダンボールを使用する方法
用意するもの
- 段ボール (ミカン箱など厚手で強度のあるもの)
- 余分の段ボール(底を2重にするため)、または新聞紙2日分
- ブロックなど段ボールの下に置く台 (通気性を保つため)
- 腐葉土と米ぬか 5:3の割合で混ぜたもの
- 古いTシャツやバスタオルなどの布 (通気性と虫の侵入を防ぐ)
- 追加用の米ぬか
作り方
- 段ボールを組み立て、隙間をすべてガムテープで補強します。(底の部分はしっかり補強しましょう)
- 底にもう一枚段ボールを敷くか、新聞紙2日分くらいを敷き詰めます。
- 段ボールのふたの部分を立てて四隅をガムテープで止めます。(外側からも内側からも貼ります)
- ベランダの、雨があたらず風通しが良いところにブロックを置き、その上に容器を置きましょう。
- そこに、腐葉土と米ぬかを5:3の割合で入れ、よくかき混ぜます。段ボールの上には古いTシャツやバスタオルなどの布をかぶせて紐などで止めておきます。
- 軽く水切りした生ゴミを入れてよくかき混ぜます。(米ぬかを少し振りかけておくと発酵しやすくなります)
- 毎日生ゴミを入れても、微生物が発酵分解してくれるので段ボールが一杯になることなく3ヶ月くらい使えます。
- 3ヶ月経ったら生ゴミを入れるのをやめ、週に1回くらい水分補給しスコップなどでかき混ぜながら約1ヵ月で完成です。
ポイント
1日あたりに投入する生ゴミは、三角コーナー1杯分(500g~800g)で、大きなゴミは小さくしておくと早く分解されます。分解が遅いと感じるときは、油料理の後の廃油を少し入れると微生物が活発化します。
果物の種やカボチャの種、タバコの吸い殻、味噌や醤油など塩分が強いものは入れてはいけません。
自宅のベランダでできるエコ生活
いかがでしたか? 自宅で出る生ゴミから、ベランダで簡単に堆肥が作れるようですね。
市販されている生ゴミ処理機は、価格が高い上に電源が必要です。その点、プランターや段ボールなら小さなスペースで、何といっても材料費がそれほどかかりません!
また、生ゴミを可燃物として出す手間も省けるうえに、栄養あるガーデニング用の土を手に入れることもできるのです。このような活動を通して“環境”や、“エコ”について考えるいい機会にもなりそうです。
身近なところから“エコ生活”、始めてみませんか?