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発酵食品にかかわりのある菌の種類

酢、酢酸菌 発酵とは

近年改めて注目を集めている「発酵食品」。日本伝統の納豆やぬか漬け、味噌や醤油・日本酒などはもちろん、ワインやチーズ、ヨーグルトやキムチなど世界中には数多くの発酵食品が存在しています。

これらの発酵食品は人類の歴史のなかで時には偶然、また生活の知恵として生み出され現代に至るまで人々に伝えられ、私たちの食卓に欠かせない食品になっています。

ひとことに「発酵食品」といっても、さまざまな微生物や菌がかかわって作り出されているので、今回は発酵に関わる菌の種類についてご紹介しましょう。


麹(コウジ)菌

麹菌、酒粕

「麹(コウジ)菌」は麹カビとも呼ばれ、米や大豆、麦などの穀物を加熱することによって繁殖する糸状菌(カビ)の一種です。

麹菌は加熱された穀物に繁殖する時にたくさんの種類の“酵素”を作り出し、その数はなんと100種類以上だともいわれています。このように「酵素の宝庫」と呼ばれる麹菌はデンプンやタンパク質を分解し、デンプンからブドウ糖、タンパク質からアミノ酸を作り出すことができます。

日本では古くから主食として米を食べていたので“米麹”を活用した日本酒や酢、味噌や醤油作りが盛んになりました。他にも大豆を原料としたものが“大豆麹”、麦を原料にしたものが“麦麹”で、さまざまな用途に用いられています。

世界中には発酵にカビを使用する発酵食品がありますが、「麹菌」は日本だけだといわれ2005年には日本の「国菌」にも認定されました。日本の伝統的な発酵食品はほとんどが麹菌を用いられています。


麹菌を用いた発酵食品

日本酒、お酢、味噌、醤油、漬け物、焼酎、泡盛、みりん


酵母

ビール酵母、ホップ

「酵母」とは単細胞性の微生物で、空気中や土壌、自然界にある植物や果物などのあらゆるものに存在します。そして酵母は有機物に含まれる糖類を、酸素のあるところではアミノ酸やビタミンなどを合成。酸素がない状態ではアルコールと二酸化炭素に分解しながらどんどん成長する特徴があります。

酵母は一つの菌に一つのはたらきしかなく、それぞれの菌の種類によってはたらきが異なり多くの種類の酵母があります。ですから、発酵させる時には用途によって使用する酵母を使い分ける必要があります。

例えば、パンを焼く時には“パン酵母”、ビールを醸造する際には“ビール酵母”、ワインには“ワイン酵母”、日本酒を醸造する際には“清酒酵母”といった具合です。


酵母を用いた発酵食品

日本酒、焼酎、お酢、みりん、味噌、醤油、かつお節、漬け物
ビール、ウイスキー、ワイン、パン、キムチ、ピクルス、ヨーグルト、チーズ


酢酸菌

酢、酢酸菌

「酢酸菌」とは、アルコールを酸化させてお酢の成分“酢酸”を生み出す細菌のことです。酢酸菌は好気性(酸素があるところを好む)なので、液体なら表面に膜を張るようなカタチで増殖していきます。

アルコールを酸化するのは酢酸菌のうち“アセトバクター・アセチ”と呼ばれるもので、日本酒に酢酸菌を入れると「米酢」、ワインに入れると「ワインビネガー」といった具合にお酒の種類によって色々なお酢の種類が作り出されます。

酢酸菌のもう一つの種類“アセトバクター・キシリナム”と呼ばれるものは、糖を発酵させてセルロース繊維を作り出すことができ、デザートとして流行した「ナタ・デ・ココ」も酢酸菌のはたらきです。


酢酸菌を用いた発酵食品

米酢、ワインビネガー、モルト酢、りんご酢、ナタ・デ・ココ


乳酸菌

乳酸菌、ヨーグルト

「乳酸菌」とは、“乳酸菌”と名づけられた特定の菌の名前ではなく、ブドウ糖・オリゴ糖・乳糖などの糖分をエサにして乳酸を作りだす微生物の総称です。

乳酸菌はあらゆる所に存在し、牛乳やチーズ・ヨーグルトなどの乳製品だけでなく植物の表面や漬け物などの発酵食品、ヒトや動物の体内などにも存在し200~300以上の種類が自然界に存在するといわれています。

よく知られている乳酸菌には「ビフィズス菌」、「乳酸菌シロタ株(ヤクルト菌)」、「LG21」、「ラブレ菌」などが有名ですね。乳酸菌には“動物性乳酸菌”と“植物性乳酸菌”があり、植物性乳酸菌は過酷な環境でも生き延びることができるのが特徴です。


乳酸菌を用いた発酵食品

ヨーグルト、チーズ、ワイン、マッコリ、ピクルス、キムチ、味噌、醤油、日本酒、甘酒
ぬか漬けなど漬け物、ザワークラウト


納豆菌

日本、発酵食品、納豆

「納豆菌」とは、稲のワラや枯れ草、落ち葉などに多く生息する“枯葉菌”の種類で、過酷な環境でも生き延びることができるという強い菌です。蒸した大豆に付着させると大豆のタンパク質を分解してアミノ酸やビタミン類が増加し、独特の風味とネバネバと糸を引く糸引き納豆を生み出してくれます。

こうして生み出された納豆のネバネバ成分に含まれる酵素「ナットウキナーゼ」は、「血栓溶解作用」や「血流改善効果」「免疫力向上効果」などがあり、心筋梗塞や脳硬塞対策として近年注目を集めています。


納豆菌を用いた発酵食品

納豆


発酵食品でカラダの内側からキレイに健康に!

発酵食品で健康作り

近年改めて注目が集まっている「発酵食品」ですが、私たち日本人の食生活には古くから味噌や醤油、みりんやお酢といった調味料や、納豆やお漬物など毎日の和食を食べることで自然と取り入れられてきました。

こうして微生物たちのチカラで発酵された食品は、保存性が増すだけでなく元の食材にはなかった栄養素やうま味、風味や香りが加わり私たちに大きな益をもたらしてくれます。

それだけではなく、発酵食品は「酵素の宝庫」といわれ、近年の研究によって高い抗酸化作用や免疫力向上効果、アンチエイジング効果や腸内環境改善効果など健康や美肌につながるさまざまな効果が得られることが分かっています。

発酵食品は色々な種類を食べることで相乗効果が得られるそうですから、毎日積極的に取り入れたいものです。これからも、美味しく食べてカラダの内側からキレイに健康になりましょう!