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基本の手作りパンの作り方-発酵のしくみと材料の役割

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「発酵食品」と聞くとチーズやヨーグルト、納豆やお漬物などが真っ先に思い浮かぶかもしれませんね。普段は発酵食品だと意識していないかもしれませんが、私たちが大好きな「パン」も発酵食品のひとつです。

パンがふっくらフワフワとふくらんでいるのは実は発酵のおかげ。今回は、基本のパンの作り方と材料、さらに発酵の仕組みについて調べてみましょう。

パン作りに欠かせないもの

イースト菌

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パンを作るときに欠かせない「イースト菌」は生き物です。粘土のようなカタチの生イースト、スーパーでも簡単に手に入るドライイーストがありますが、どちらも実は生きていて眠ったような状態で売られています。

イースト菌はほどよい温度と湿度という条件が整うと目を覚まし、パン生地の中の糖分とデンプンを栄養にして分解・吸収し、炭酸ガスとアルコールを発生させます。ちなみにイーストが最も活動的になる温度は30℃前後だと言われています。あまり高くなると死んでしまいますし、低すぎると活動が遅くなります。

グルテン (小麦粉と水)

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小麦粉に水を加えて練るとガムのような弾力と粘り気があるものが残ります。これが“グルテン(タンパク質)”です。

グルテンが多い順に「強力粉」→「中力粉」→「薄力粉」となっています。

このグルテンは数多くのゴム風船をつなぎ合わせたような構造になっています。この一つ一つの風船の中に、イースト菌が発生させる炭酸ガスが入ることによってふくらみ、フワフワのパンができあがるというわけです。ですから最もパン作りに向いている小麦粉は、グルテンが多く含まれる強力粉だといえます。

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塩がなくても、小麦粉と水とイーストだけでパンをふくらませることはできますが、塩がなければ味のない間の抜けたような美味しくないパンになってしまいます。塩はパンに味と香りをつけるのに大切な役割を果たしています。

さらに、パンの生地を作るうえでグルテンをしっかり引き締め、生地のコシを強くしたり雑菌を抑制したりするはたらきがあります。

砂糖

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砂糖なしでもパンを作ることはできますが、砂糖はイーストの栄養になる大切な成分です。砂糖が加わることでイーストの発酵がさかんになり、やさしい甘みと柔らかさ、焼き上がりをこんがりと仕上げることができます。

ただ、たくさん入れ過ぎるとかえってイーストの発酵力が弱まるので、粉全体の10%以内に抑えるようにしましょう。

基本のパンを焼いてみよう

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さて、基本のパン作りに欠かせない材料が分かったところで、上記の材料を使いさっそくパンを焼いてみましょう。

基本のプチパン (10個分)

材料

  • 強力粉・・・300g
  • 砂糖・・・6.6g
  • 塩・・・5g
  • ドライイースト・・・6.6g
  • ぬるま湯・・・190cc

作り方

  1. ボウルに塩、強力粉、砂糖、ドライイーストを入れます。このとき、砂糖の上にドライイーストを置くと発酵しやすくなります。そこにぬるま湯を入れ手で混ぜ合わせていきます。
  2. 少しまとまってきたら生地を台の上にとり出し、のばしながら折り返し、のばしながら折り返し・・・を10~13分くらい繰り返します。
  3. しっかりとこねた生地をきれいに丸めてボウルに戻し、固く絞った布巾をかけて30~35℃程度の温かい場所で発酵させます。 ※オーブンの発酵機能がない場合は、温かいお湯(40~50℃)をはった大き目の容器に浮かべたり、ホットカーペットの上に置いたり・・・工夫してみてくださいね。
  4. こうして1.5~2倍くらいの大きさにふくらむまで45分~1時間ほど発酵させます。(一次発酵)
  5. 指に粉をつけ、生地の真ん中に差し込んで、跡が残ればO.Kです。
  6. 生地をとり出して、手でギューッと押してガス抜きをし、ナイフなどで10等分します。
  7. 分割した生地の上に、ぬれ布巾をかけて10分ほど休ませます。(ベンチタイム)
  8. それぞれの生地をきれいに丸めて成形します。天板に打ち粉をして少し間隔を空けて並べ、もう一度ぬれ布巾をかけて30~35℃くらいの温かい場所で、ひとまわり大きくなるまで30分~1時間ほど発酵させます。(二次発酵)
  9. 200℃に温めたオーブンで10~12分焼きます。

基本のパン作り、意外に簡単そうですよね? パンを上手にふくらませる上で大切なのは「発酵」という工程です。この工程を慌てず丁寧にすることで美味しいパンが仕上がります。

たくさんイースト菌を投入して、高めの温度のところに置くと生地はすぐに発酵してふくらみますが、イースト菌が出すアルコールのニオイがきつくなり美味しくなりません。

焦らずに、一次発酵→ベンチタイム→二次発酵と、じっくりと発酵させることでふんわりとした香りのいいパンができあがるのです。

よりおいしいパンを作るために

上記の基本の材料だけでも十分美味しいパンが焼けるのですが、そこにさまざまなものを加えることでいっそうキメ細かく、風味豊かな味わい深いパンを作ることができます。それぞれの役割を見てみましょう。


油脂

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菓子パン・クロワッサンなどにはバターやショートニングなどの油脂が含まれています。油脂が加わることで「コク」が出て濃厚な味わいになります。それだけでなく、グルテンの膜を薄くしてパンのキメを細かく仕上げてくれます。

また焼き上がりを柔らかくし、水分の蒸発を防いでパサつきを抑えしっとり感を与えてくれます。ただし、使用量が多すぎると膨れにくくなりますので小麦粉の5%以下に抑えるようにしましょう。

乳製品

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パンに使用する乳製品には牛乳・スキムミルク・練乳などがあります。小麦粉を練るための水の代わりに牛乳を使うこともできるのですが、牛乳の1割近くは脂肪やタンパク質なので水よりも1割ほど多めに入れるほうがいいでしょう。

乳製品を使うとコクや味、香りが良くなるだけでなく栄養価が高まり、しかもパンの表面にキレイな焼き色を付けるのに役立ちます。

卵を入れることによって、卵黄に含まれる「レシチン」という成分の乳化作用によるキメ細かいふくらみと、ソフトな口当たりのリッチなパンに仕上がります。

全卵でもいいのですが卵白が多くなると焼き上がり固くなってしまうことがあるので、卵黄のみを使用することも多いようです。また成形した生地の表面に卵を塗って焼くとツヤ出しにもなります。

私のパン作り

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私は毎週3回は自分でパンを焼きます。一番シンプルなパンですが、じっくり3回発酵させます。通常は、一次発酵→ベンチタイム→二次発酵、という作り方をしますが、私の場合、ベンチタイムを長くとる感覚です。

じっくり発酵させると、イーストが少なくてもうまくふくらみますし、イースト臭さが残りません。また、パンを捏ねなくても自然にふっくらとおいしいパンが焼きあがります。

3回発酵させますので、その分全体の時間は長くかかりますが、時間のある方はためしてみてください!

自家製パン作りで発酵を体験しよう!

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今回は手作りパンの作り方と発酵の仕組みについてまとめました。

パンがふっくらとふくらむためには、微生物“イースト菌”と、水でこねた小麦粉に含まれるグルテンに生地を引き締める塩、イースト菌のエサになる砂糖がバランスよく配合され、イースト菌が活発に活動できる一定の温度を保つことがポイントです。

これらを意識して生地をこねたり発酵させたりすると、初めてでも上手にパンが焼けそうですね! 身近な発酵のチカラを利用して朝食に自家製パンはいかがですか?