ダイエットや健康に効果が高いと人気がある「酵素ドリンク」。さまざまなメーカーから色々な野菜や果物を発酵・熟成させた商品がたくさん発売されています。
最近では“無添加・無着色”など余計なものが入っていないこだわりの酵素ドリンクも販売されていますが、やはり続けるには値段が高い・・・という問題もあります。
そんな酵素ドリンクを自宅で手作りしてみるのはいかがですか? 今回は作り方とコツについてご紹介します。
手作り酵素ドリンクのメリット・デメリット
メリット
自宅で酵素ドリンクを作る最大のメリットは、新鮮な素材から作られた生の酵素ドリンクが飲めること。さらに、添加物の心配がなく、自分の好みに合わせた味に仕上げることができることでしょう。
また、何といっても低コストで酵素ドリンクが作れるため、続けやすいことも嬉しいところです。酵素ドリンクを仕込む季節によって、それぞれの季節の旬の野菜や果物を使用でき、栄養価が高い素材を選ぶことができます。
デメリット
自宅で酵素ドリンクを作るには、うまく発酵させるために温度管理と時間が必要です。毎日忙しくて時間がない人にとっては手間がかかると感じるかもしれません。
さらに、自宅で作る酵素ドリンクは、雑菌やカビが生えないように衛生管理に注意が必要です。特に梅雨時や夏場には雑菌が入ると腐敗しやすいため、細心の注意を払わないと危険が伴います。
また、市販の酵素ドリンクの場合何十種類もの野菜や果物・野草などを配合されているものが多いのですが、手作りではあまりたくさんの種類の素材を使用するのは難しくなります。
酵素ドリンクを作ってみよう
素材の選び方
市販の酵素ドリンクにはたくさんの種類の野菜や果物が使用されていますが、初めて酵素ドリンクを作る場合には1種類の材料から作ることをおすすめします。なぜなら、複数の種類の素材を使用すると、素材ごとに発酵スピードが異なるため失敗しやすいからです。
また、最初は酵素が多くてドリンクとして美味しく仕上がる“リンゴ”や、オレンジやレモンなどの“柑橘類”、“イチゴ”や“梅”などがおすすめです。
酵素は多いのですが、“大根”や“白菜”などはクセがあるため飲みにくく、あまりおすすめできません。1種類の酵素ドリンクづくりに慣れてきたら、何種類かの野菜や果物を混ぜて好みの味を探してみるといいですね。
果物にしても野菜にしても皮ごと使用するので、無農薬のものを選ぶか、なければ重曹を溶かした水で表面を洗うようにしましょう。
容器と下準備
酵素ドリンクを作る容器はプラスチックやホーローでもいいのですが、中の状態が見られて煮沸消毒ができるガラス容器がおすすめです。ホームセンターなどでも購入できる果実酒ビンなどが最も使いやすいでしょう。
酵素ドリンクを作る際には、あらかじめ容器全体が浸かる鍋などに水と容器を入れ、沸騰してから15分ほど熱湯消毒し、水滴が残らないように十分に乾かしておきましょう。
プラスチック容器など、煮沸させるのが難しい場合にはホワイトリカーなどをしみこませたガーゼなどでふき取ることもできます。蓋はもちろん、使用する道具をすべて消毒しておくようにしましょう。作業前に手を十分に洗うことも忘れずに!
酵素ドリンクの作り方
材料 初心者に作りやすいもの
- リンゴ・・・皮つきで1kg (イチゴ・レモン・みかん・梅なども旬のものが初心者におすすめです)
- 上白糖・・・1.1kg (黒糖は向いていません)
作り方
- リンゴを良く洗います。無農薬なら水洗いでいいのですが、そうでない場合にはボウルなどに小さじ1杯程度の重曹を溶かして、材料を30秒~1分浸すことで農薬除去効果があります。その後しっかり水洗いしましょう。
- 材料をカットします。小さくカットすると発酵が早くなりますが、小さすぎるのも良くありません。ぶつ切り・ざく切りくらいがちょうどいいでしょう。
- 消毒した容器の底に砂糖を敷き詰め、その上にカットしたリンゴ、その上に砂糖、さらにリンゴ・・・といった具合に交互に詰めていき、最後に砂糖でリンゴが隠れるようにしっかりと覆いましょう。
- 容器を完全に密閉すると発酵しにくく、しかも発酵の過程でガスが発生するので軽く蓋をするかガーゼで覆うなどして空気が入るようにしておきます。
- さあ、発酵させましょう! 直射日光が当たらない温かい場所に置きます。ベスト温度は35~36℃だとされているので、冬場は毛布などで包んだり、暖房の効いた部屋に置いたりして工夫しましょう。ただ、温かいからといって直射日光に当たると腐敗しやすくなるので注意が必要です。
- 漬けて半日~1日経つと砂糖が溶けて果汁が出てきます。こうして果汁が出てくると全体がよく混ざるように1日に2回キレイに洗った清潔な手でかき混ぜます。(手にケガや傷があれば、消毒したヘラなどで混ぜましょう)
- 季節によって異なりますが、1~2週間ほどして材料が浮き上がってきてシュワシュワ泡が出てくるようになれば発酵が完了です。
- できあがった液をザルや不織布などで濾して、殺菌した保存容器に入れて冷蔵庫で保存しましょう。(保存中も1日に1回はふたを開けてガス抜きします)
手作り酵素ドリンクには細心の注意を!
自宅で酵素ドリンクを作る場合は、市販の酵素ドリンクのように数多くの種類の野菜や果物を使用することは難しい反面、市販の商品のように加熱殺菌しないため“生きている酵素”を摂取できるメリットがあります。
さらに、発酵させることで元の素材にはなかった栄養素が摂れることができます。
初めは1種類の果物から始めて、慣れてくると5種類くらいの野菜や果物をミックスして好みの味を見つけるといいですね。ただ、発酵と腐敗は紙一重だともいわれています。ですから、しっかりした温度管理と衛生管理が欠かせません。
使用する容器の殺菌はもちろん、手をしっかりと洗うことなど十分に気を配る必要があります。また、真夏は気温が高く腐敗が進みやすいので、初心者は春や秋など気候がいい時に始めるといいかもしれませんね。